モノクロームの静寂

詞誂え
星の潮時
別れの面影
水面の可惜夜
制約解除の糸口
恋蛍から採用通知
迷い込んだ夢の体温
棺に誰かの夢の優しさ
その残滓をこそげ落とす
灰色に鮮やかな水色が降る
夢を食む種類の生き物は人間
毀れ落ち砕け散った臓腑の欠片
青白い星の影が巡り赤い星を蝕む
油断のならない袋小路で待ち合わせ
惜別の残滓をすくいあげる横暴な聖痕
冷たい横顔に許される微かな熱の独占欲
過去が纏った落花で四角の箱を染め上げる
いずれ至る模範的終末を赴くままに散策する

悴んだ指先で引いた引き金が打ち抜いたのは
吐息と深呼吸を交互に繰り返して息をのむ
ブルーシートの夜空で虚言癖の月が笑う
見つめる瞳の奥に曖昧な虚構が浮かぶ
別れを綴る色彩に愛すべき色を探す
傷ましい許容がいずれ決壊する時
黒い羊の蹄が忘れ難い時を刻む
窮屈な日常を周期的に傾ける
うららかな不安が忍び込む
隠してた本当は内緒です
モノクロームパレード
結べなかった赤い糸
息づく長夜の綴り
書き損じの恋文
揮発する残像
抱卵の虚ろ
縁の終焉
終の恋

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